相続税は、原則として期限までに金銭で一括納付します。申告書を提出しても、自動的に引き落とされるとは限りません。納付方法と資金の準備を、申告書作成とは別の作業として進めます。
各人の概算税額、使える預金、相続預金の払戻しや証券売却にかかる時間を整理してください。分割が決まってから資金の不足に気付くと、選べる方法が限られます。
主な納付方法と、事前に確認すること
| 方法 | 確認すること |
|---|---|
| 金融機関・税務署の窓口 | 納付書、現金等の取扱い、窓口の受付時間 |
| ダイレクト納付 | e-Taxと口座の利用手続、事前届出、引落し日・残高 |
| インターネットバンキング等 | 対応金融機関、利用登録、限度額、納付情報 |
| クレジットカード納付 | 国税の専用サイト、決済手数料、利用限度額 |
| スマホアプリ納付 | 対象税額・アプリ・残高、専用サイトへの導線 |
納付方法には税額上限や手数料、事前手続があります。たとえばスマホアプリ納付は納付税額30万円以下の人が対象で、上限を避けるために高額の税金を分割して納付することは控えるよう国税庁が案内しています。利用時点の案内を確認してください。
相続税は、所得税の確定申告等で使う振替納税と同じ扱いではありません。家族が以前利用した方法が、そのまま相続税に使えると思い込まないようにします。
税額ではなく、期限までの不足額を求める
納付予定額から、期限までに使える資金を差し引いて不足を把握します。財産一覧の預金額が大きくても、払戻し手続中、他の相続人が取得する預金、生活費として必要な資金などは、自分の納付に自由に使えるとは限りません。
土地や株式の売却を考える場合には、売却までの時間、手数料、別に生じる税金等も関係します。相続税評価額と同額ですぐ換金できる前提では計画しないでください。
納付を家族が手伝う場合も記録を残す
誰の税金を、誰の資金で支払ったかを区別します。他の家族が立て替える場合には、返済するのか、別の精算があるのかを明らかにしておかないと、贈与など別の問題が生じることがあります。
納付操作の担当者と、資金の負担者は同じとは限りません。申告税額、納付日、使用口座、完了記録を各人ごとに保存します。
一括で払えない見込みなら早めに別制度を検討する
延納・物納には要件と申請期限があり、希望すれば自由に選べる支払方法ではありません。期限が近づくまで待たず、手元資金と取得財産、支出予定を示して検討します。
申告と納付の両方を終えたら、受信通知や納付完了画面等を保管し、引落し方法では実際の結果も確認してください。手続の受付と資金移動の完了を分けて見届けます。
※本記事は、作成時の法令および国税庁の公表情報に基づいて作成しています。その後の法改正や制度変更等により、現在の取扱いと異なる場合があります。実際の申告・手続にあたっては、国税庁等の最新情報をご確認ください。

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