未成年者控除と障害者控除の条件・計算・必要資料

相続税では、未成年者や一定の障害者である相続人について、本人の税額から差し引く控除があります。遺産額から引く基礎控除とは別の制度です。年齢だけでなく、財産の取得、法定相続人に当たるか、住所等の条件を確認します。

出生年月日が分かる戸籍、相続内容、障害者手帳等、過去に同じ控除を受けた申告書を準備してください。海外居住歴や外国籍などが関係する場合は、国内の一般例だけで適用を決められません。

目次

二つの控除を並べて確認する

項目 未成年者控除 障害者控除
年齢等 取得時に18歳未満 取得時に障害者で、85歳未満
基本の計算 満18歳までの年数×10万円 満85歳までの年数×10万円。特別障害者は20万円
年数の端数 1年未満を切上げ 1年未満を切上げ
本人で引き切れない部分 扶養義務者の相続税額から控除する扱いあり 同左

いずれも、相続・遺贈で財産を取得した法定相続人であること等が必要です。ここでの法定相続人は、相続放棄があれば放棄がなかったものとして判定します。単に親族である受遺者なら誰でも使えるわけではありません。

住所の要件は同じではない

障害者控除では、取得時に日本国内に住所があることが要件となり、一時居住者と被相続人の区分による除外もあります。

未成年者控除は、一定の国内居住者に加え、国籍・国内居住歴・被相続人の区分に応じて対象となる国外居住者がいます。「日本に住んでいないから両方とも不可」「日本に住んでいれば両方とも必ず可」と一括りにしないでください。

年数は死亡時等の年齢から計算する

一般の相続で、相続開始時の年齢が16歳8か月だったとします。18歳までの残り1年4か月を切り上げて2年とするため、未成年者控除の基本額は20万円です。申告書を出す時点の年齢で計算するものではありません。

障害者控除では、一般障害者か特別障害者かの区分によって年当たりの金額が変わります。手帳の名称や等級だけを自己判断で当てはめず、申告の手引きに示された税法上の区分と相続開始時の状態を照合します。

引き切れない控除は自動的な現金還付ではない

本人の税額を超える控除額があっても、その超過分が無条件で現金として返る制度ではありません。本人の扶養義務者の相続税額から差し引けるかを確認します。

扶養義務者は、配偶者、直系血族、兄弟姉妹のほか、一定の三親等内の親族です。「生活費を払っている人」や「同じ家にいる人」とだけ理解すると範囲を誤ります。複数人に税額がある場合は、どの人からいくら控除するかの整理も必要です。

過去の相続で同じ控除を利用していると、今回の控除額が制限されることがあります。年齢式だけで計算を終えず、本人だけでなく扶養義務者の過去の申告内容も確認して、今回の申告書へつなげます。


※本記事は、作成時の法令および国税庁の公表情報に基づいて作成しています。その後の法改正や制度変更等により、現在の取扱いと異なる場合があります。実際の申告・手続にあたっては、国税庁等の最新情報をご確認ください。


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